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ロワール河流域 (2012)

2012年は生産者のヴィンテージと言えます。実際2012年ヴィンテージの気候条件は栽培を難しくしましたが、最終的にこのような天候を体験した、またはノウハウのある生産者は最大限にこの天候を活用しました。

ナント地区のミュスカデは9月中旬から雨が降ったにもかかわらず、成功を収めています。ワインはフレッシュかつバランスの良いものになり、いくつかのキュヴェ、とりわけミュスカデ・デュ・セーヴル・エ・メーヌ・シュール・リーなどは10年近い熟成に耐える事が出来ます。

アンジュー・ソミュール地区の冬は穏やかで少し雨が多いシーズンとなりました。生育サイクルのスタートは早かったのとは対照的に強くコンスタントな雨を記録しています。これらの不安定な気候は結実不良を引き起こし、嵐や霜による被害と相俟って収量を減らされてしまいます。 夏は比較的安定しており、7月15日からブドウの成熟に適した気候に変わりました。収穫は9月14日より始められ、2012年はアンジュー・ソミュール地区、トゥーレーヌ地区の偉大なヴィンテージとは確かに言えませんが品質の高いワインも出来た年で、生産者を選ぶ事が重要になるヴィンテージです。 セレクション・グラン・ノーブルは本当に少量だけ生産されています。

トゥーレーヌ地区もアンジュー・ソミュール地区と似たような気候条件でした。平均気温10℃にシーズンを通して51mmの降水量と穏やかで乾燥した冬を過ごしましたが4月になると生育サイクルに好ましい気温と1ヶ月で120mmの降水量を記録しています。 この雨に加え嵐、霜はブドウ畑に害を及ぼしますが夏になると安定した気候に変わりブドウの成熟を助けます。収穫は9月中旬から開始され、繊細かつフルーティーなキャラクターを持ったワインが出来上がりました。

白ブドウ品種、とりわけ中央フランス地区はこのヴィンテージの気候条件を有効活用します。他のロワール地方同様穏やかな冬の影響もあり、発芽が3月に始まったなど生育サイクルは早まります。しかし4月に降った雨は湿度と霜をもたらし生育サイクルは停滞します。 7月中旬には安定した温暖な気候に変わり、ブドウは凝縮感を増しましたが、乾燥が続いた所為でブドウの成熟に好ましい状況とは言えませんでした。幸いな事にその後救いの雨が降った事からブドウは回復し、健康な状態で完璧にバランスの取れたブドウが収穫されています。 2012年の中央フランス地区は長期熟成にも耐えられる奥行きと繊細さを持ったワインが出来た優れたヴィンテージになりました。

[参照元: www.vin-vigne.com]